橘ありす「お菓子のバーコードを杏さんのおでこに貼ってぺろぺろ舐める」
橘ありす「お菓子のバーコードを杏さんのおでこに貼ってぺろぺろ舐める」
2: ◆t6XRmXGL7/QM 2017/12/19(火) 01:44:37.00 ID:hX5AIh/50
今年の冬は早くにやってきて、しかも少し厳しい。何よりも乾燥が厳しかった。
風はカサカサと枯れ葉を運んできて、やがては私の体から水分を奪っていきます。
風はカサカサと枯れ葉を運んできて、やがては私の体から水分を奪っていきます。
唇の裏側や親指と人差し指の間など、地味で目立たず地味に痛いところばかりが割れる。
クリームの消費は夏の日焼け止めと良い勝負なペースでした。
ちょっと塗りすぎたリップクリームを舌で舐め、苦みばしった味に顔を少ししかめる。
私、橘ありすは冬の真っ只中にいました。
今年の冬は厳しかった。
どんなに乾燥に気を配っても、唇が割れるのを防ぐことができなかったのです。
だからか、私の仕事から笑顔がどんどん消えていきました。
乾いていく唇。減っていく笑顔。
次第に私は本当に笑えなくなってしまいました。
笑顔はどんなだったか。
それすら、思い出せなくなってしまった。