女の子「僕はサンタクロースを信じている!」~建設的なサンタクロース存在論~
女の子「僕はサンタクロースを信じている!」~建設的なサンタクロース存在論~
ジャンル……雑学多めのほっこり系?
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クリスマス前
男の子「お前、小学生にもなってサンタ信じてるのかよ!」
女の子「?」
小学校の帰り道、同じクラスの男の子が変なことを言って話しかけてきた。
男の子「学校でサンタに何を頼むか話してたけどさ、サンタなんていないんだぜ!」
どうやら友達とクリスマスプレゼントの話をしていたのを、聞かれていたみたいだった。
女の子「サンタさんいるよ? 毎年プレゼントもらってるよ?」
男の子「バカだな。サンタのふりして親がプレゼントを用意してるんだよ!」
女の子「信じてない子はプレゼントもらえないから、男の子君の所には来てないだけなんじゃ?」
男の子「あっそ、じゃあサンタがいるって証明しろよ! 証拠をだせ! 証拠!」
女の子「……」
わたしは黙ってしまった。証拠なんてない。
男の子「ほら一生懸命考えてみろよ。どうせないけどね!」
女の子「……そうだ! 証拠ならある!」
わたしは去年のクリスマスを思い出した。
男の子「へえ、言っとくけど、町でサンタの恰好してる人を見たってのは無しだぜ!」
男の子「あれも普通のおっさんが、白髭つけて赤い服着ているだけなんだからな!」
女の子「違うよ、ビックリするんだから!」
男の子「ほ~ん」
女の子「わたし! 外国のサンタからもらった手紙を持ってる!」
わたしは自慢げに言った。
男の子「ぷはは、そんなもん証拠になるかよ!」
女の子「なんで?! ちゃんと英語だったよ?」
男の子「英語なんて大人なら書ける人いるだろ!」
女の子「ちゃ、ちゃんと、こーにん?のサンタクロース協会から来てて、外国の郵便局のハンコもついてた!」
男の子「だ~か~ら、そんなの外国に手紙を出して、外国の大人が英語で手紙を返せばいいだけだろ!」
女の子「!?」
男の子「公認だか協会だか言ってるのだって、本当はサンタのフリだけで、空飛ぶソリも赤い鼻のトナカイもいないんだよ!」
女の子「……」
男の子「終わりか? やっぱりサンタがいる証拠はないんだろ。サンタなんていないんだよ!」
確かにそうかもしれない。証拠なんてない。
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