蛇妻(♀)「おかえりなさいませ。今日はずいぶんと帰りが遅いのですね。」
蛇妻(♀)「おかえりなさいませ。今日はずいぶんと帰りが遅いのですね。」
蛇「どこで油を売っていたかは存じませんが、あまり余所をうろちょろしない方がよろしいですよ。」
蛇「あなたは昔から余計なことばかりするから、こちらも余計な手間ばかりかかります。身の振り方をわきまえてくださいね。」
蛇「……いいえ、怒ってなどおりません。ええ、怒っていませんとも。むしろ、なぜ私が怒りを覚えなくてはいけないのでしょう。腹が立ちます。」
蛇「………ちょっと、あんまりベタベタ触らないでください。外から持ち込んだ雑菌が付着します。ああもう、まったく…。」
蛇「それに、なんだか妙な香りもします。下品な女の匂いがぷんぷんと、それはもう臭くて臭くてたまりません。」
蛇「……どーせ、女の子のたくさんいるお店にでもいたんでしょ。私には分かっているんですからね。あんまり、蛇を甘くみないでください。」
蛇「匂いにだって敏感だし、熱を感知することだって出来るんですから。……いつもより、熱のこもってる場所、ありますね。」
蛇「っ、ちょっとどこ押さえてるんですかっ。そこじゃありませんよ、はしたないっ。……顔ですよ、熱でもあるんじゃないかってくらい赤いです。」
蛇「……そんなにお酒が飲みたいなら、お家で飲めばいいでしょうに…。…………なんでもありません、なーんにも言ってません。ふんっ。」
蛇「…………はあ?今から、また飲みなおすんですか?……外でも飲んで、また家でも飲むんですか。…………一緒に?」
蛇「……そーですね。誰かさんがあんまりにも私を放っておくもんですから、私もちょっと愚痴を言いたい気分です。なんなら、あなたも一緒してもいいですよ?」
蛇「まったく、調子がいいんだから…。……言っておきますけど、知りませんからね。私が酔っ払ったらどうなるか、あなたが一番よく知ってるでしょう。」
蛇「巻きついたり、チロチロ舐めたりするだけじゃ、きっとききませんからね。締め上げて、骨も2本か3本いってしまうかもしれませんよ。」
蛇「それも、あなたの不肖が招いた結果だと諦めることです。分かりましたね。……お返事。」
蛇「……ふふっ。ほんっと、調子がいいんですから…。」