【SS】優雅な紫と不釣り合いなメイズ色
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2: 名無しで叶える物語◆Jx41tOh9★ 2025/01/20(月) 17:06:00 ID:???00
「マルガレーテちゃん、本当にこんなのがプレゼントで良かったんすか?」
私の後ろで髪を束ねながら、きな子先輩がそう聞いてくる。
「いいのよ。私がそう言ってるんだから」
「でも、言ってくれればチョコパンでも何でも作ったっすよ?きな子、パン作りには自信あるし…」
「そんなの完成する頃には日が替わっちゃうじゃない。私の誕生日なんだから、私のリクエストを優先しなさいよ」
「は、はいっす…」
わかりやすく落ち込んだ声が聞こえる。
顔は見えないが、おそらくちょっと涙目になっているのだろう。一年足らずの付き合いでもなんとなくわかるぐらい、この人はよく泣く。
「そもそも、きな子先輩がプレゼントの用意忘れたから今こうしてるんでしょ」
「うぅ、おっしゃる通りっす…」