演劇部の部長(♀)「仕方がないから、キミは私がもらってあげよう。」
演劇部の部長(♀)「仕方がないから、キミは私がもらってあげよう。」
部長「大事にするよ?それはもう、どんなものよりもさ。まるでエリックがクリスティーヌにそうしたように……たくさん可愛がってあげよう。」
部長「さあ、私の手を取って。そうしたら最後、キミは私の所有物になる。キチは人ではなくなる。キミは物になる。宝物だよ。この世で最も大事な宝物になるんだ。」
部長「覚悟があるのなら、ほら…………跪いて、手の甲にそっと優しいキスを…。」
部長「…………駄目だな。ああ、まるで駄目だ。こんなものではいけない。私が求めていたのはこんなものではないんだよ○○くん。」
部長「いや、悪くはなかったとも。私の抑えきれない異常性がそこはかとなく匂った。決して悪いものではなかったんだが……いや、悪いか。」
部長「まず突拍子がない。私の言わんとしていることの信憑性というか、説得力がいまいち欠ける。いきなり愛してるだなんだと言われてもバックボーンを理解していなければ私は単に妄想癖と支配欲の激しい狂人になってしまう。まあ狂人自体は悪くないんだが。」
部長「だがこれではいけない。私は誰の目にも明らかな狂気的で純粋な悲恋を皆さんにお楽しみいただかなくてはならないんだ。そうでなくては、キミをもらう資格なんて私にはない。」
部長「私は全生徒の前でキミに愛を伝え、皆さんの心を、支持を、圧倒的熱量の支持を浴びせられながらキミをもらわなくてはならない。そうでなくては、キミにも失礼だからね。」
部長「もちろん、キミの心を掌握するのは容易い。でもね、どうせだったら一生に残る告白劇にしたいんだよ。それこそ、キミが他の女に惚れるたびにズキズキと痛む治らない傷跡のように。」
部長「私という存在を皆さんに、そして何よりキミの心に刻み付ける。怯えなくちゃいけないんだよ、キミは、私の愛情に。呑まれて、溺れて、死ななくちゃいけないんだよ。」
部長「……なるほど……死ななくちゃいけない、か…………おおお……なんだか、思いついたかもしれないぞっ。すまんそこで待っていてくれ、少し時間をくれ。すぐに書き上げるから。」
部長「そうさ、これが終わったらまた予行練習だよ。今度こそ、今度こそキミをあっと驚かせてみせるよっ。だからそこで、ただ指を咥えて待っていてくれっ。私の脳に虹がかかることを!」