キョン「ぐえっ! な、何しやがる!?」ハルヒ「キョンの喉仏、捕まえた!」
キョン「ぐえっ! な、何しやがる!?」ハルヒ「キョンの喉仏、捕まえた!」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/26(水) 21:00:51.77 ID:F2H4nCm2O
その日、空に浮かんだ暗雲から雨粒が舞い降りたのは、昼休みが終わってからだった。
SOS団の無益な活動を終える頃には、いよいよ本降りとなっており、帰宅するべく昇降口から一歩踏み出すのは、傘を忘れた俺からすると、なかなか勇気の要る悪天候である。
SOS団の無益な活動を終える頃には、いよいよ本降りとなっており、帰宅するべく昇降口から一歩踏み出すのは、傘を忘れた俺からすると、なかなか勇気の要る悪天候である。
「ん」
そんな俺に向けて、涼宮ハルヒが口をへの字に結んだまま、傘の先端部を突きつけてきた。
いったい、なんのつもりだろう。
「傘、忘れたんでしょ?」
「あ、ああ……」
「特別に、貸してあげる」
それはどうもご親切に、とはいくまい。
「お前はどうするんだ?」
そう尋ねると、ハルヒは何言ってんだこいつ、みたいな眼差しと共に、嘆息をひとつ吐いて。
「見ればわかる通り、傘は1本しかないんだから、あんたと一緒に帰るに決まってるでしょ」
ああ、なるほど。
それは道理だろう。
しかし、すると、まさか。
ひょっとして、それは相合傘という奴では。
「なによ」
「……いや、なんでもないさ」
今にも俺を置き去りにして立ち去りそうなハルヒに懸案事項を告げるのを諦めて、俺はいかにも女子の持ち物とわかる黄色い傘を、広げた。
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