曜「憧れは淡く身を包んで」
曜「憧れは淡く身を包んで」
2: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/08/07(水) 20:12:46.15 ID:Sz9ZTITW
曜「やっぱり、おかしいかな…」
買ったばかりの服を体に当てて、鏡に映る自分の姿をのぞきこむ。
手にしているのは、私には珍しい赤色の服。明るく元気な色合いとは対照的に、鏡の中の私はどうにも冴えない表情を浮かべていた。
本来ならば、新しい服が手に入ったというだけで気分が上がっているところだ。
赤はあまり着る色ではないけれど、袖に二本の白いラインが入ったデザインは可愛らしくて好みだし、丈の長さやサイズも良さそうだから、言うこと無しのはずなんだけど…
何度確認してみても、私の心はぜんぜん定まらない。いや、確認するたびに、どんどん深みにはまっていく気さえする。
私が鏡の前に立ったり、頭を抱えたりを繰り返しているのには、たったひとつのシンプルな理由がある。
曜「いきなりお揃いって、変かなぁ…」
それはこの服が、鞠莉ちゃんが以前着ていたものとそっくりだからだ。