憂「お姉ちゃんいい加減にしてよ!」
憂「お姉ちゃんいい加減にしてよ!」
0001以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/19(木) 02:50:41.44ID:7tHcbNom0
それはお姉ちゃんが大学一年、私が高校三年のときの出来事。
お姉ちゃんの通う大学は二年になるとキャンパスが異動になって、家からかなり遠く離れた所へ通わなければならなくなった。
だから、お姉ちゃんは今年の三月末には一人暮らしを始めることになったのだ。
その話を和ちゃんとしていると、和ちゃんはいつになく真剣な顔で切り出した。
「あのね憂。やっぱりこのままじゃ、まずい気がするわ。」
「…そうだよね、いざ、家族以外の人に言われると手厳しいものがあるけど、自分でも薄々気付いてたんだ。」
「ごめんなさいね、他人の私が人の家庭事情に首を突っ込んだりして。でも、唯を見てると心配で。」
でもあの子、このままだと憂無しじゃ生きていけなくなっちゃうわよ。
和ちゃんの指摘は、これ以上無くストレートに、的確に私の心を揺さぶる。
お姉ちゃんは、私に頼りすぎている。少なくとも自分の身の回りの世話は自分でできるようにさせないと、
この先、生活していけなくなってしまう、と。
改めて振り返ってみると炊事、洗濯、買い物…どれもお姉ちゃんは普段やらない。
それは、決してお姉ちゃんだけが悪いわけじゃない。家事という仕事を一手に引き受けて―――否、お姉ちゃんの笑顔が見たいがために、
奪ってしまった私にも責任があるから。認めたくはないけど、認めなければいけない。このままでは、お姉ちゃんはダメ人間になってしまう。