改造人間(♀)「あなたくらいなものですよ、こんな身体を愛してくれる人間なんて。」
改造人間(♀)「あなたくらいなものですよ、こんな身体を愛してくれる人間なんて。」
改造人間「……ああ、いえ。…………いけませんね。つい昔の癖で、未だに形式張った軍式の挨拶が時折出てしまいます。いい加減慣れなくては。」
改造人間「ふふっ…………ナンバー52、買い出しの任務を終え無事帰還いたしました。引き続き戦利品の冷蔵庫収監任務に移ります……なんちゃって。」
改造人間「今日は卵が安かったので、オムライスにでもしましょうか。待っててくださいね、今作りますから。」
改造人間「……いえ、そういうわけにはいきませんよ。炊事洗濯は私の務めですから。あなたはゆっくりテレビでも見ていてください。」
改造人間「…………そうですか?それなら、そうですね……お皿とスプーンを並べておいてくれると助かります。」
改造人間「まったく、あなたは昔からじっとしていられない人ですね。あなたもあなたで慣れなくてはいけませんよ。あなたは働きすぎたほどに働いたんですから、そろそろ力を抜いて休む努力もしないと。」
改造人間「それにしても、軍を退役してからもうすぐ5年ですか……はやいものですね。ふふふ、お互いに歳をとりました。まあ、私は老けたりしませんけどね。」
改造人間「あなたが私を引き取ってこの屋敷に来てから5年……初めはどうなることかと思いましたが、案外どうにかなるものですね。」
改造人間「それはそうですよ。戦うために生み出されて、今まで軍施設のなかで生活をしてきたんですよ?等身大の、人並みの生活なんて想像すら出来なかったんですから。」
改造人間「でもまあ、さすがに毎日こうした雑用をさせられていれば嫌でも慣れますね。……ふふふ、意地悪言ってしまいました。」
改造人間「だけど、あなたには感謝しているんですよ。あなたは私に“普通の人間”としての生活を送らせてくれているんですから。私にとって、それはとても幸せなことなのです。」