果林「メルヘンなんて柄じゃない」

果林「メルヘンなんて柄じゃない」

4: 名無しで叶える物語(きびだんご) 2020/03/11(水) 20:58:56.36 ID:LXkdc/FH
がちゃり。
放課後、茜が射し込む部室。汗をタオルで押さえつつドアを開けると、テーブルにくてん、と体重を預け、肩をゆっくりと上下させている彼方がいた。
寝てる。たしか……ダンスの練習は一区切りにして、ステージ演出とか衣装とかを考える、って言ってたかな。
彼方のことだから、動いた後でそういう楽しいことを考えていたから眠気が襲ってきたのね。ふふ、気持ち良さそう。
自然に手が延びて、頬をやわやわとくすぐったり、ふわふわの髪の感触を楽しんだりしてしまう。
本当に幸せそうだし、どうせならしばらくのあいだ眺めていたいくらいだけど、このままにしてはおけないわ。だって。

「彼方、かーなーた!こんなところで寝てたら、風邪ひいちゃうわよ?」

なるべく優しく揺すりながら、声をかける。
寝てしまう前はダンスのあとで暑かったのかもしれないけど、弱風ではあっても扇風機の風を直に浴び続けているのは良くないんじゃないかしら。

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