しずく「直径約100センチの円の中で」
しずく「直径約100センチの円の中で」
2: 名無しで叶える物語(家) (ワッチョイ 9388-Op8l) 2020/05/28(木) 00:28:53.24 ID:W+E+Slab0
夕方からがらりと天気が変わって、自主練を切り上げる頃にはすっかり分厚い雲が空を覆い尽くしてしまっていました。
演劇部の先輩から受け取っていた鍵で部室の戸締りをして、職員室へ鍵を返し、昇降口へ急ぎます。
最終下校時刻5分前を知らせるアナウンスを背に靴を履き替えて、玄関口から降りしきる雨粒を見たとき───傘を持ってきていないことに気がつきました。
しずく「いけない、確か折りたたみも家に…!」
この時間に傘を借りられるような同級生もいる訳はなく、とはいえ鞄を傘がわりに飛び出すにはちょっと勇気の要る雨で、途方に暮れてしまいます。
イベントやライブもまだ遠い時期なので、同好会の皆さんももうそれぞれ帰宅していることでしょう。