艦これ relations
艦これ relations
中間棲姫「貴女、一匹見たら五十匹居ると思えというか……もう感心しちゃうわ」
駆逐棲姫「わ、私をゴキブリみたいに言わないで下さい! 攻撃です!」
中間棲姫「はいはい。無駄無駄」クスクス
爆弾、砲撃、雷撃の雨も彼女には届かない。放たれた何もかもが目標到達前に運動エネルギーを失っていく。
駆逐棲姫「……第七位の艤装作った奴は軍事法廷で死刑確定です」
中間棲姫「無敵でごめんなさいね」
空間の重力を操り上下左右から相手に叩きつければ防御の手段は転じて攻撃となった。
駆逐棲姫「あぎぎぎががががががあああああ」
戦闘は終わり再び静かな海が訪れる。
燃え盛る島と月明かりによって海上はいつになく明るかった。
中間棲姫「さすがにちょっと疲れたわね」
中間棲姫「交代しましょうか?」
中間棲姫「まだ良いわよ」
中間棲姫「分かりました。なら偵察機を出して索敵お願いします」
中間棲姫「了解~」
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中間棲姫「見事に全島燃えてるわ。飛行場も同じくよ。自爆装置を使ったみたい」
中間棲姫「……トラック司令部の方は全員死亡、ですか」
中間棲姫「これで生きてたら氷河期でも生き残れるわよ。あ、倉庫も見たけど、どうも機密保持は完了してたわ。私たちは余計なお世話だったかしら」
中間棲姫「トラックの皆さんは気持ちの良い方々でしたね」
中間棲姫「? そうね。人間にしては珍しく」
中間棲姫「はい。本当に良い人ばかりが死んでいきます」
中間棲姫「……ちょっと貴女、なにこれ。えっ、何考えてるのよ」
中間棲姫「やっと気付いたんですか」クスクス
中間棲姫「あーもう! やられた! ジェットの機密保持なんて最初から嘘だったのね!」
中間棲姫「はい。八位の気持ちを動かすにはこれくらいしないと駄目でしょう」
中間棲姫「いいの?」
中間棲姫「ちょっぴり死ぬ確率が高いだけですよ」
中間棲姫「少しでも後悔するのなら死んでは駄目よ。死ねば後悔もできないんだからね」
中間棲姫「扉から情報が流れ込んでくれば何もかもが曖昧になります」
中間棲姫「……」
中間棲姫「仮に因果律から恣意的に欲しい情報を取り出せたとして、確かに死の悲しみを癒やすことも出来るでしょう。ですがその行為は繰り返す内にこの世界で自分が成してきたささやかな喜びさえも消していきます」
中間棲姫「……忘れてたわ」
中間棲姫「そんなことさせるものですか」