古泉「僕は、君が、好きです」
古泉「僕は、君が、好きです」
0001以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/10/10(日) 14:08:55.32ID:wZdxA8Vm0
ほんの少し前までの話。僕の好きな人は神様だった。
この銀杏が葉を残していた頃まで、僕は彼女の事を殆ど盲信に近い所まで、信仰していた。そう、信仰。あの頃の僕の気持ちは、きっとそう呼ぶべきなのだろう。
世の中に絶対の神など居る訳はないと、彼はそう言い切ってそして、それを頑なに貫いたけれども。
僕は、彼のようには決してなれなかった。それは生い立ち、人生において歩んできた道が違うのだから仕方のない価値観の相違であるのかもしれない。
あの日。
神様が神様でなくなった日。
彼は彼の大切な少女を、信じぬいた。
世界崩壊の危険性を知りながら、彼は彼女を信じた。
彼女は失恋に、他者の恋の成就に、しかして決して世界を変革させず、その痛みを、受け入れると。
彼女……涼宮さんのその心根の部分に有るであろう優しさを信じた。
僕には、出来なかった。
僕は彼女を好いていながら、けれど僕は……けれどどこかで想い人を軽んじていたのです。
そんな事をすれば、世界が終わる。
涼宮さんの決死の告白を、彼が無碍にする。それを止める側に、僕はあの頃回っていた。
今となっては、笑い話。
決して笑えない、笑うしかない、笑い話。