【SS】花火「火花―HIBANA―」 序~No.1~🆓
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1: 名無しで叶える物語◆9eb0UKWm★ 2025/09/08(月) 21:36:56 ID:???00
江戸は浅草、隅田川沿いの暗い夜道を一人の女が走っていた。
亡者「ォオオオオオ」ザッザッ
ポルカ「もう~! なんで追いかけてくるの~!?」タッタッタッ
踊りを生業とする大道芸人のポルカは化け物に追いかけられていた。
それにしてはあまり慌てていないようにも思えるが、少し訳があった。
ブチッ
ポルカ「うわっ!?」ドサッ
お化け「ウラメシヤ~」ドロロ
履物の鼻緒が切れ、転んでしまった。
また別の化け物がにじり寄ってくる。
魑魅魍魎「ボボボボボボ」ワシャワシャ
ポルカ「逃げないと……痛っ!」
またさらに別の化け物が……いささか多すぎるような気がするが、ポルカは気にする様子はない。
兎にも角にも、絶体絶命である。
「下がって」
ふと見上げると、ポルカの目に映ったのは青海波(せいがいは)の文様だった。
先程の声の主と思しき女の着物だった。
その女は化け物に臆すことなく近づいた。
花火「染霊術・青海波」
どこからともなく現れた巨大な波が、化け物たちを飲み込んでいった。