久「咲、髪を梳いて」
久「咲、髪を梳いて」
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/11/07(金) 13:09:06.69 ID:sH+cvKXn0
折りたたみ式の櫛を持っていた。
自身の身だしなみの為ではなかったけれど、制服の内ポケットには常にあった。
部活の時には鞄の一番外側のところに差し込んで、いつでも使えるように。
薄紅色をしたその櫛は、本当は自分に使うはずで購入したのに。
いつの間にか久のもので、久専用。
あまり物事に頓着しないはずの彼女がいつもその櫛で髪を梳いた後にこう言うのだ。
久「これは私専用だから、他の人に使っちゃダメよ?」
振り向いて笑う久の顔が印象的だった。
またその無邪気に笑う顔が見たくて櫛を持ち歩いていたのかもしれない。
もう使うことはないだろうけれど。