吸血少女と待つ夜明け
吸血少女と待つ夜明け
1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/24(土) 19:16:59.68 ID:9gYYSLduo
アルバイトを終えた夜の九時。
昼に降っていた雨は夕方までにやんだようで、今はいくつか水たまりを残すのみだ。
僕はじっとり湿ったアスファルトの上を駅に向かって歩いていた。
昼に降っていた雨は夕方までにやんだようで、今はいくつか水たまりを残すのみだ。
僕はじっとり湿ったアスファルトの上を駅に向かって歩いていた。
メインストリートを外れた脇道で、道幅は車がすれ違うのに苦労する程度。
街灯はそれなりにあるが陰になった場所が多く実際よりも暗い印象を受ける。
道沿いの飲み屋スナックの汚れた看板が陰気さに拍車をかけている。
僕の他には人はいない。なんとなく確認した後深いため息をついた。
肩周りが重く、気分はそれよりさらに重い。
沈んで行くような錯覚とどろりと鈍い意識。
この憂鬱な気分の正体は知っていた。
先の見えない不安といえばいいのか。
自分はこれからどうなるんだろうという恐れと表現したほうが近いだろうか。
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