古泉「共犯者ですね、僕たち」
古泉「共犯者ですね、僕たち」
0001以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2009/01/23(金) 20:21:19.16ID:FAxO9TvP0
古泉一樹は疲れていた。
彼の日々の生活は、過酷なものだった。
神と呼ばれる少女の機嫌取りをし、彼女の機嫌が損なわれた時に誕生する神人という
化け物を倒し、そしてまた次の日も少女の機嫌取りをする。
かれこれ三年もこんな調子だ。
古泉一樹も、三年前は普通の子供だったのだ。
けれど、彼はもうそれを思い出すことが出来ない。
学校には本音を言える友達が居て、そして温かい家庭があったのだが、もう彼はそれを
すっかり忘れてしまっている。
好きで忘れているわけではなく、それほどまでに疲れている
のだ。
そう、思い出す余裕がない程に。
古泉一樹は、神人の発生に応じて、生活をしなければならない。
酷いときは、睡眠時間が一週間続けて一時間だったこともあった。
ただただ呼吸をするだけの生活。
そこには、幸福などある筈もなかった。
どうせ眠りについても、また神人の発生を伝える携帯の着信に起こされるのだ、と思い、夜
眠るのをやめた。
たちまち、大きなクマが出来上がり、上司に酷く怒られた。
不条理ではない
だろうか。
眠るだけの時間を与えてすらくれないくせに。
そんな生活も、彼女が高校に入ってからは、改善された。
一度は世界が崩壊しかけたものの、
その後の彼女の精神状態は極めて安定していると言え、神人の発生回数も大分減少した。
古泉一樹が、涼宮ハルヒに生活を振り回されることは殆ど無くなった。
普通ならば、それを喜ぶべきだろう。
夜も安心して眠ることが出来る、自分の娯楽に時間を充て
ることが出来る、と。
けれど、古泉一樹は、それらのことが、全て涼宮ハルヒの裏切りのように感じていた。







