【艦これ】提督、逃がしませんよ
【艦これ】提督、逃がしませんよ
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/19(月) 01:25:03.73 ID:0stnYipM0
少々騒がしい、横須賀鎮守府。
「提督、失礼します」
そう言って、正規空母加賀が、執務室に入ってくる。
しかし、そこに提督の姿は無い。
「…………」
ざっと執務室を見回した加賀は、眉を顰めた後、執務用の机の後ろに回り込んだ。
「……提督、一体何をされているんですか?」
「いや、ペンを、落としてな」
明らかに隠れていたのが見え見えだが、提督は表情を崩さずに机の下から出て来て、着衣を整える。
もはやツッコむのも面倒な態度だった。
「提督……」
「さて、少し工廠を見てくるか。確か、大鳳の艤装を建造している途中だったな」
「隼鷹です」
「……何?」
「艤装の開発は失敗しました。代わりに隼鷹の艤装が出来ました」
「…………」
表情は崩れていないが、明らかに落胆の様子が見て取れる。
まあ、我が鎮守府の資源圧迫の原因は間違いなく彼女の建造にあるので、無理も無い。
「そうだ。確か金剛に茶会へ誘われていたんだ。行って……」
「断っておきました」
「えっ」
「提督はお忙しいので、本日は来れないとお伝えしておきました」
「…………」
この人は……。
加賀は内心で溜息を吐く。
本人も分かっていてやっているのだから、そろそろ止めを刺してあげるべきか。