魔王「やれやれ、ボクは人里の離れでひっそり暮らしているだけなんだけどね」
魔王「やれやれ、ボクは人里の離れでひっそり暮らしているだけなんだけどね」
1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/25(日) 00:56:20.165 ID:vW5155pYp.net
縄で拘束された俺「くっ…」
魔王「先祖様が人払いの結界を張っていたのに、効力が薄まったのかな?」ズズー
魔王「ボクは魔王の中でも無害で内気でかわいい方だから、そっとしておいてほしいと願っているのに」
魔王「それにしても、たった一人で乗り込んでくるなんて、いつの時代の英雄譚だい? 一周回って興味深いよ」
俺「…………」
魔王「今は戦争なんて、魔導兵器で全部片がついちゃうんだろう?」
魔王「ボクら魔族の優位性なんて、とっくになくなってる。手品が得意で寿命が長いってとこくらいさ。あとの特徴と言えば、生殖頻度が極端に低い欠陥人種じゃないか」
俺「……随分と、卑屈なことで」
魔王「ははは、やっとまともに言葉を返してくれたね」
俺「…………」チッ
魔王「ま、ほら、ボクはずっとここで一人だから、書物の知識としてしか知らないんだよ。だから自分とは関係ないというか、俯瞰的に見れるのだろう」ズズー
魔王「あ、紅茶出そうか? 安心しなよ、お伽噺みたいに、蛇の生き血とか入ってないから。まったく、人種差別の偏見だよね」
俺「…………」
魔王「つれないな。初めてのお客さんだから、これくらいのサービスはただでやってあげるよ。コーヒーやハーブティーもあるけど、不愛想だからもう紅茶にしちゃうから。ちょっと待っててね、逃げないでね、君くらいの魔力じゃ絶対無理だろうけど」トテテ