【モバマス】凛・まゆ「ペルセポネの恋人」【百合】
【モバマス】凛・まゆ「ペルセポネの恋人」【百合】
2: ◆K1k1KYRick 2019/02/08(金)20:05:13 ID:g1P
一日に一本しかないバスに三十分ほど揺られながら、凛はようやく目的地に着いた。
風雨に晒されて色褪せしたベンチと粗末なバス停の案内板が、降りてきた彼女を迎える。
周囲に響く蝉の合唱と共に包み込んで来る熱気は
緑が多いからか都会に比べて幾分穏やかに思える。
おざなりに舗装されたアスファルトの道を山麓方面へと進んでいく途中で
畑仕事をしている中年の女性が声をかけてきた。
凛は軽く会釈してみせた。
彼女は佐久間まゆの父方の叔母で、夏の間ここでまゆの面倒をみてくれている。
彼女もそうだが、ここの人たちはアイドルが来ても騒ぎ立てたりしないため、気楽になれる。
まゆが家の庭掃除をしていると聞いた凛は彼女と別れて目的の家へと歩いていった。
読者モデルを辞めた時点で両親と不仲になっていたまゆにとって
親戚である彼女が唯一頼れる肉親と言えた。
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