律「りっちゃんは真のイケメン」
律「りっちゃんは真のイケメン」
0002以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2010/08/02(月) 10:50:55.19ID:68ib3XXe0
土曜日の午後。14時30分をまわったところ。
田井中律は、自分の所属する3年2組の教室で、あるクラスメイトと向き合って座っていた。
本来ならば、休日なので教室の鍵は閉められている。
が、クラスメイト――真鍋和が教室でと言ったので、鍵を借りて開けた。
大昔は土曜日は半日授業なんてものがあったんだっけ、などと思いながら、律はグラウンドを見つめる。
風にあおられて、砂が宙を舞っている。
さきほどまで自分はあそこで声を張り上げていた。
「ひどい風ね」
和は、いつもの通りの落ち着いた口調で言った。少し低めの声が、彼女の冷静な性格とよく合っていた。
律は「そうだな」とだけ言って、まだ窓の外を見る。
どうしてだか、所在ないような気分になる。