先輩(♀)「私がどんな仮面をつけていても、キミは私のことを好きでいてね。」
先輩(♀)「私がどんな仮面をつけていても、キミは私のことを好きでいてね。」
1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 02:57:21.114 ID:oGhNn4Dk0.net
先輩「私はキミにいい顔をしてるよ。キミに嫌われたくないから、それなりに常識的な人間のふりをしてるんだ。」
先輩「でも、それは本当の私じゃない。私はね、本当は残酷で凄惨で、悪い人間なんだ。」
先輩「人の不幸を笑って、目の前の人間の泣き声や叫び声を聞くのが、たまらなく好きなんだ。私より下等な人間を見るのが、なによりも好き。」
先輩「でもね、そんな私のもとには、いつからか人がいなくなった。寂しかったよ。みんな、私から逃げていったの。」
先輩「だからね、私は自分を隠すことにした。私の本性を仮面で覆って、いい人でいれば、みんな私のことを好きになってくれるかなって。」
先輩「実際そうだった。高校に入ってからは友達もたくさんできて、みんなからも慕われて、すごくいい気分だった。キミにも、会えたしね。」
先輩「でもね……やっぱり、虚しいものだよ。だってみんなが好きな私は、仮面なんだから。仮面の奥の私のことなんて、誰も好きじゃないんだよ。」
先輩「キミだってそう。キミも私の仮面に惚れただけ。本当の私のことなんて、なにも知らないくせに。全部知った気になってる。」
先輩「なんにも知らないのに、キミは私のことを好きだって言った。そういう不用意な発言がね、仮面にヒビを入れるんだよ。」
先輩「仮面の向こうは不気味な怪物なのに、キミはそんなこと知る由もない。私が仮面を脱いだときには、キミだって私から離れていくくせに。」
先輩「勝手な人。本当に勝手。私のことを本当に想ってるなら、そのままどこかへ行ってよ。私にキミを傷つけさせるような真似、させないで。」
先輩「いくら残酷で、凄惨で、悪い怪物でも……どういうわけか……ほんと、身勝手だけどさ……心があるんだよ。」