唯「しるし」
唯「しるし」
0001以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2011/03/27(日) 02:48:23.03ID:29Bwa0sD0
「ちょっと唯、聞いてる?」
「えっ」
はっと我に返った拍子に、手にしていたシャープペンシルを落としてしまった。
かつん、と乾いた音を立てて、テーブルの上に転がる。
「もう、何ぼーっとしてるの」
和ちゃんは少しだけ眉を寄せて、
右手の人差し指と中指を揃えて眼鏡を押し上げる。
その眼鏡を見てました、と口に出して言えるはずもなく、
ニヘラと情けなく笑って誤摩化したらちゃんと聞きなさいと叱られた。